ショートヘア

私は、幼い頃から「ロングヘア」にしたことがない。

ずっとショートで、この先もそうだと思う。
ロングの自分がイメージできない。
破滅的に似合わない。

小学生の頃、奇妙な校則があった。
その影響が濃いのではないだろうか。

「髪の毛が肩につかない髪型にする」

あの校則、今も理解できないし
残っているのなら滅したい気分になる。

私はいつも、同じ町内にある理容室で散髪していた。
付き添いの母親が「すっきりと短く」とオーダーする。
すると女性店主が

「男の子は女の子らしく、女の子は男の子らしく」

と呟きながら、私の髪を切っていた。
その言葉が、今も頭に残り続けている。

その言葉が呪いとなったのかは分からないが、
女の子らしい持ち物や格好を嫌った。つねに男児と間違えられていたのに。

「よそ行き」の服装を強制させられ、号泣して拗ねた。
袖がふんわりとしたフリル付きのワンピースを着せられた日は地獄だった。
ピアノの発表会に着せられるスカートスタイルも苦痛。

私はおそらくトランスジェンダーではないと思うし、
女性の感性も大切にしたい気持ちはある。

しかし、他人からセクシュアリティを強要されることは、好きではない。
この考え方は、他人からどう言われても変えるつもりもない。

ちなみに今、男性の女装が流行しているそうだ。
女性よりも美しくなり、自撮り写真をアップすることを競っているのだという。