リーク

私はある場所でサイコパスと出会ってしまい、間接的な被害に遭った。
そして、弁護士や警察まで動く規模の被害を受けた人々と関わっている。

そうしたなかで、関わりをもっていた被害者の女性と
少し距離をとることにした。

彼女は「サイコパスたちに制裁を」と正義感に燃え、情報収集を行っている。
被害を受けたとされる関係者たちに積極的に接触していた。
私は、警察や専門機関への相談にも付き添った。

彼女は「証拠」として、
関係者とのやりとりをスクリーンショットで私に送信していた。
週に一度は連絡があり、画像が送られてきていた。
ただ、事実関係を確認するのは難しかった。
証拠というよりは「彼女のつくり話ではない」という証拠のほうが多かった。

そうした流れのなかで、彼女自身が無意識に情報をリークしてしまっていることがわかった。

サイコパスの被害者たちと関わることで、
話した内容や画像が、どこからか流出しているのだ。

私は、被害者の人々をまとめている「賢者」に相談した。

「もし、リークがきっかけで誰かが攻撃されるようなことがあれば
責任はとれますか?」

賢者の口調は穏やかだったが厳しかった。
さらにこう続けた。

「以前、どこからか情報が漏れ出し、サイコパスにすべて伝わっていたことがありました。
それ以来、限られたメンバーで、直接電話で話すか会って話をするようにしています。
それからネットは画像や文章の流出があるので、絶対にネットでサイコパスに関するやりとりをしません」

その後、私は彼女に連絡した。

「LINEでのやりとりは危険だからやめよう。
何かあったら電話か会うことにしよう。

相談があったら行くので、いつでも連絡してほしい」

その後、彼女からの連絡はぱったりと来なくなった。